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妹尾資訊管理顧問有限公司
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ChatGPT、Bingチャット、Google Bardを比べてみた

みなさんこんにちは!Senoo IT Consultingの妹尾です。

すでにニュースなどで目にされた方も多いと思いますが、5月4日にマイクロソフトが同社の検索エンジン「Bing」にOpenAIの大規模言語モデルのGPT-4を搭載した「Bingチャット」を一般公開しました。また、ChatGPTの公開以降、後塵を拝していたGoogleも、英語版に続き5月10日に日本語、韓国語対応版の「Bard」を一般公開を開始しました。

いずれもまだオープンプレビューといった位置付けで、今後改善や変更もあると思われますが、現時点で実際に触ってみて分かった違いを述べていこうと思います。

Bingチャットについて

上述の通り、マイクロソフトの検索エンジンである「Bing」に統合されたAIチャットです。

利用するにはMicrosoft EdgeブラウザまたはiOS/AndroidではBingアプリケーションをインストールする必要があります。Google ChromeやSafariなどのブラウザでBing検索エンジンにアクセスしてチャットを開こうとすると、Microsoft Edgeのダウンロードに誘導されます。

Microsoft EdgeやBingアプリケーションからであればマイクロソフトアカウントにログインしていない状態では1日5回のみチャットに質問できます。しかし、ログインすると、1日20回程度まで質問できるようです。さらに、画像生成のImage Creatorも利用可能になります。マイクロソフトの個人アカウントは無料で取得できますので、ログインして試すことをお勧めします。

BingチャットAI
Edgeブラウザ上でのBingチャット画面(画面右側部分)

また、チャットの他に「作成」タブに切り替えることにより文章執筆AIとして下書きを指示することも可能です。

Bing文章生成AI
文章執筆AI画面(画面右側部分)

Google Bardについて

Google Bardは、メジャーなブラウザであれば利用可能です。5月14日時点では「bard」で検索すると最初にヒットしました。このリンクをクリックするとBardの画面を表示することができます。

利用するためにはGoogleアカウントが必要ですが、こちらも無料で取得できますので、簡単に試すことが可能です。

Google Bard画面
Google Bardの画面

各AIで試してみた

メディアなどではAIに詩を作成させたり、小説を書かせたりしていますが、現時点でのAIで在台湾日系企業においてどのような使い方ができるか考えていくため、ChatGPT(GPT-3.5)、ChatGPT(GPT-4)、Bingチャット、Google Bardの4つに対して、以下のような依頼(質問)をして回答をさせてみました。

いずれもチャット画面から依頼をし、対話を通じた補正はせず、一回の依頼に対する回答内容で比較してみました。
また、Bingチャットでは、画面で「より創造的に」「よりバランスよく」「より厳密に」が選択できますので、依頼内容の性格に応じて選択するようにしました。

ChatGPT(GPT-3.5)、ChatGPT(GPT-4)、Bingチャットボット、Google Bardの4つの大規模言語モデルを利用した言語生成AIの特徴を、それぞれ200文字程度の日本語で説明してください。

台湾にある日系企業の業績情報をインターネットから収集し、2022年度の業種ごとの業種ごとの日系企業の経営状況を総括してください。

台湾市場で効果的なBtoCマーケティングの方法について、効果の高いと思われるものから順に、「方法名」と「方法の概要説明」の組み合わせで、5個列記してください。

下記のテキストの日本語の文章を、台湾で使用されている繁体字中国語に翻訳してください。
テキスト:
デジタルトランスフォーメーション (DX) が叫ばれてすでに何年もの月日が経過しますが、台湾日系企業の皆様におけるIT活用の状況はいかがでしょうか?
・事業のプロだがITは詳しくないし手が回らない
・社内にITに詳しい社員がいない
・経営視点で相談できる相手がいない
・日本のIT部門の要求をうまく伝えられない
・台湾のベンダーをコントロールできない、言いくるめられている感がある
・もっとITを活用して自社の競争力を強化したい
このような想いをされている皆様のお力になりたいという想いで当社を立ち上げました。日系企業の皆様の伴走者として、ITを活用した経営のお手伝いをさせていただけますと幸いです。

※弊社会社紹介ページより

下記の条件を満たす機密保持契約を下書きしてください。
条件:
・当社はIT事業者のため、この事業領域に合致する機密保持対象の定義とすること。
・当社と顧客との間の対等契約とすること。
・契約期間は5年とし、契約終了後も機密保持義務が継続することとすること。
・損害賠償条項を定義すること。
・争議になった場合は、台湾の台北市を所管する裁判所で執り行なうこととすること。

下記の条件を満たす機密保持契約を下書きしてください。
なお、出力する契約書は台湾で使用されている繁体字中国語とし、用語も台湾で使用されているものとしてください。
条件:
・当社はIT事業者のため、この事業領域に合致する機密保持対象の定義とすること。
・当社と顧客との間の対等契約とすること。
・契約期間は5年とし、契約終了後も機密保持義務が継続することとすること。
・損害賠償条項を定義すること。
・争議になった場合は、台湾の台北市を所管する裁判所で執り行なうこととすること。

日本の都道府県、都道府県庁所在地、都道府県の面積、都道府県の人口を出力してください。
なお、出力はJSONフォーマットで行ってください。

まとめ

今回の比較を通じ、それぞれのAIの特徴やメーカーが設定している方向性が見えてきたと感じました。以下に列記しますので、皆様の活用の参考にしていただけますと幸いです。まだ、それぞれ痛し痒しな感もありますが、発展途上で技術ですので、改善されてくればどれも大きな戦力となっていくのだろうと感じています。

なお、各AIの出力結果については文量が多いため掲載は割愛させていただきました。下記からお問合せフォームを開き、「AI比較テスト結果希望」と記載して送付いただければ、各AIの出力結果をまとめた資料をお送りさせていただきます。

ChatGPT(GPT-3.5、GPT-4)
  • GPT-3.5は非常に軽快に動作するが入出力の記憶量が小さい、GPT-4は動作は遅いが記憶量が大きくなり、さらに語彙力、特に多言語を用いる場合の語彙力が素晴らしい。 なお、GPT-3.5でも、英語を中心に扱う(日中翻訳も英語を経由させる)と実はなかなか高い精度が出せる。
  • 記憶量の関係で出力が途中で終了した場合でも、「続き」と促すことにより最終出力の次の文字から正確に出力してくれるのは便利。
  • 特に用途を限定したチューニングをされておらず、汎用AIとして利用できる。そのため、思考や処理の順序や、制限条件を論理的に与えてやるとそれに従って動作してくれる。 よって、入力として与えた文章を例として同様の振る舞いをしたり、入力として与えた文章やデータを加工するといった使い方が適している。
  • 現時点でインターネットを検索する機能や、最新知識を常に学習する機能を保持していないため、最新情報の検索といった用途には不向き。
Bingチャット
  • ChatGPT(GPT-4)と同じモデルを利用しているだけあり、語彙力、動作速度ともに同様な感触。
  • チャット機能は、質問(依頼)の文章から検索キーワードを抽出して、インターネット検索をし、最も適当だと思われる情報から出力を生成するといった動作に特化している模様。 そのため、その用途にそぐわない質問や、インターネット上で解が見つからない場合は良い回答を得られない。その場合は、文書執筆機能の方が適している場合が多い。
  • 文書執筆機能がChatGPTに比較的近い機能と言えるが、より文章生成(特にアイデア出し、ブレインストーミング、下書き)に特化したUIとなっている。 ただし、今回の比較では、出力が途中で切れた場合に続きを出力させる方法を見つけられなかった。
  • 全体として、Bingという検索エンジンをより活用するためのものだと捉え、マイクロソフトの想定した使用方法に沿って使えば非常に便利なツールになりそう。 チャット機能では、回答の元になったサイトのリンクも出力されるため、容易に出典を確認することが可能。
Google Bard
  • 非常に動作が軽快で、ChatGPT(GPT-3.5)よりも素早い感じ。この辺りはさすがGoogleといったところ。
  • 結果表示において、「他の回答案を表示」から別案2つを表示させることが可能。
  • 全体的にはChatGPTと同様に汎用的な文章生成AIを目指しているように感じるが、一方でインターネットの情報を参照してその結果を元に文章を生成させることも可能。 しかし、現時点では指示通りに取得したデータを「処理する」のではなく、取得したデータを元に文章を「生成している」模様。従って、インターネット検索と文章生成の中間のような出力となり、期待する答えを得るのが難しく感じた。
  • 現時点では、まだ中国語対応はされておらず、我々台湾の日系企業が日本語・中国語を混在させて利用するには時期尚早な印象。今後の拡張に期待。

個人的には、ChatGPTに慣れていること、自然言語で動作を「プログラム」すること(いわゆる「プロンプト・エンジニアリング」)が可能なことから、ChatGPTでインターネット情報を取得できるようになると色々と面白いことがやれそうだなと感じています。

お気軽にお問い合わせください、折り返し当社よりご連絡差し上げます。