皆さん、こんにちは。今回より、台湾駐在の日本人ビジネスマンに向けて、台湾での生活やビジネスに役立つ中国語や文化に関する情報をお届けするブログシリーズを始めました。最初は「台湾独自の方言」について解説します。
台湾では中国語(国語または台湾華語*1という)が公用語として使われていますが、台湾固有の方言である「台語」や「客家語」などが広く使用されています。これらは地域によって微妙に異なるアクセントや語彙を持つため、初めて聞く耳には難解に感じるかもしれません。しかし、台湾の文化をより深く理解し、現地の人々とより深い関係を築くためには、これらの方言についての基本的な理解が不可欠です。今回はその内の「台語」について紹介します。
*1: 「漢語(普通話)」は中国大陸での標準語を指して用いられます。「台湾華語」と「漢語」では、繁体字と簡体字の違いだけでなく、よく使う表現(単語)が異なったり、同じ単語でも意味や声調が異なったりすることがあるため、台湾人は、「漢語」を「台湾華語」とは別の地域の言葉として捉えています。イギリス英語とアメリカ英語の関係のように、同一のものとして扱われるのを嫌がる方もいるため注意が必要です。
「台語」(táiyǔ)は、台湾の先住民族である閩南人が使っていた言葉がベースとなっており、中国本土の福建省からの移民により持ち込まれました。その後、台湾の特殊な地理的、人文的環境、そして外来の政権の統治を何度も経験した結果、三、四百年の間に大陸の閩南語とは異なるものに変化しました。音韻や語彙、文法などが台湾華語とは大きく異なるため、聞き取りや理解は容易ではありません。しかし、地元の人々とのコミュニケーションや地元メディアの消費には欠かせない存在です。
例えば、「ありがとう」または「感謝します」を意味する「謝謝」は台湾華語では「xièxiè」ですが、台語では「謝謝」の他に「感謝」や「多謝」を使います。下記のようにそれぞれ微妙に異なるニュアンスや使用場面があります。
台湾のビジネスシーンでは一般的に台湾華語が使われますが、地元の人々との関係を深めるためには、台語の基本的な理解が役立ちます。また、特定の業界や地域では台語がビジネス言語として使われていることもあります。特に工場や建設の現場において、作業員の方と接する機会が多い方は、台語を学ぶことにより台湾人の皆さんとの距離をグッと縮めることができることでしょう。
台湾人は、相手が台語(もしくは台湾華語)を理解しようと努力していることを非常に評価します。たとえ完璧に話せなくても、基本的な挨拶や日常会話を台語で行うだけで、台湾人とのコミュニケーションはより円滑になります。
台語を学ぶためのリソースは幅広く、オンラインコース、教科書、アプリなどが利用可能です。音声を聞きながら学ぶことで、正確な発音と聞き取り能力を向上させることができます。また、現地の人々との交流を通じて、自然な台語を学ぶことも可能です。
台湾のビジネスシーンで成功するためには、台湾華語だけでなく台語についても基本的な理解を持つことが重要です。台語は台湾の文化と深く結びついており、台湾人とのコミュニケーションには欠かせません。台語を学ぶことで、台湾人との関係を深め、より豊かな経験を得ることができます。
今後もこのブログでは、台湾でのビジネスや生活に役立つ情報をお届けしていきます。次回の記事もお楽しみに。
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